現在大卒の約3割、高卒では約4割が3年以内に離職しています。
そんな中、企業側からは「若手の受け身思考」「高学歴、学生時代の成績は優秀なのに仕事ができない」など、
新人教育に頭を悩ませる声も多く挙がっています。
仕事の現場では想定外の事象や、正解のないことに判断を下すといったシチュエーションが少なくありません。
人材育成支援を専門とする当研究所では、そのような状況で仕事を上手く進めるには、
知識やスキルに加えて「センス」が重要と考え、仕事に関するセンス=「仕事センス」と定義し、
新入社員と先輩社員の意識の違いを探るべく、今回の調査を実施しました。
どれだけ知識や技術があっても、調整する力や共感力など仕事センスがなければいい結果は出せません。プロジェクトワークが増えている今、人は他者の仕事センスの有無を観察し、その重要性を認識していると言えますね。
正解のない社会人の世界にとって「自分なりに判断」して成果や価値を生むことは、どの世代にとっても重要な仕事のセンスであると言えます。
さらに社会人経験を積むと、仕事センスへの認識に変化が見られます。さまざまな関係者との調整等、失敗も含めた経験を積んできたことによって、「周囲との調整」や「状況察知」をできることが仕事センスのある人という回答につながっているのでしょう。
|
|
|
|
|
世代間のギャップの背景として、近年の新入社員は「失敗を恐れ、挑戦しない」「自分の頭で考えようとせず、答えを求めたがる」などの傾向が指摘されますが、こういった傾向が目先の成果に着目しがちな回答につながっているのではないでしょうか。一方で先輩社員は、経験によって仕事を遂行するために重要なものが具体的にわかってきているのでしょう。
モノをつくれば売れた時代は終わり、
今は知恵によって新たな価値を生み出さなくては仕事の価値が失われていく時代。
そういった中で誰もが「自分で判断して行動する」ことができなければ
生き残れないことを、時代の空気として感じます。
また、今後ますます職場の多様化が進んでいきます。
様々な人とチームで仕事をすることが増えていく中で、
状況を読み周囲と調整しながら仕事を進めていく敏感さが求められています。
会社や組織で働くうえで問われることは、
単に知識・技術を持っているということよりも、
そもそも「仕事ができるかどうか」です。
顧客や組織の様々な期待に応えるために、
周囲の状況を感じ取り、
自分で判断・調整して
やり遂げる総合的な力を、私たちは
「仕事センス」と呼びます。
社会人としてできるだけ早い段階で
その意味や大切さに気づき、仕事経験の中で
切磋琢磨することで
「仕事センス」は
大きく育ちます。
「仕事センス」は誰しもが
見出し伸ばすことのできる能力なのです。